警察庁も警鐘

SNSやマッチングアプリなどを通じて出会った者に恋愛感情や親近感を抱き金銭等をだまし取られる、いわゆるロマンス詐欺が急増しています。

2024年9月に警察庁が発表した情報によりますと、本年7月までのロマンス詐欺の被害認知件数は1,868件、被害金額は198.8億円と昨年比2.3倍に増加しました。

接触ツールとしては男女ともにマッチングアプリが1位で30%以上を占め、その後フェイスブックやインスタグラムなどのSNSが続いています。特に40〜60代における被害状況が80%以上となっており、ミドルシニア層が詐欺師の標的になっていることが伺われます。

警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ/SNS型投資・ロマンス詐欺/被害の実態(令和5年1月~令和6年7月)より抜粋

オレオレ詐欺同様、ロマンス詐欺についても手口が年々巧妙化しています。自分だけは大丈夫と思っていたら多額のお金をだまし取られていたーということにもなりかねません。

40代以降のミドルシニア世代の婚活はリスクを負うべきではありません。もっとも安全な結婚サービスである結婚相談所を利用すべきです。

この記事では、ロマンス詐欺の最近の傾向や手口、被害を防ぐための具体的な防衛策を解説したうえで、ミドルシニア層の婚活については結婚相談所の利用を推奨する理由を説明します。

婚活男女はもちろん、ロマンス詐欺急増の背景や手口などについて具体的に知りたい方に有益な記事になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

ロマンス詐欺の概要

古くから結婚をほのめかして金銭をだまし取る“結婚詐欺”はありましたが、本格的なSNS時代に入り、容易に男女の出会いを作れることから、その被害が急増しています。頻繁に報道でもニュースになっており、億単位の被害が発生することもあります。

ロマンス詐欺とは

ロマンス詐欺とは、恋愛感情を利用して金銭をだまし取る詐欺のことです。

詐欺師は、SNSやマッチングアプリを通じて相手に近づき、信頼関係を築いたうえでお金を要求します。しかし、その「恋愛」や「将来の約束」は全て嘘で、金銭を得た後に突然連絡を断ち切るのが典型的な手口です。

急増の背景

スマホの普及により、マッチングアプリやSNSで気軽に異性と出会えるようになったのが、ロマンス詐欺急増の背景です。

スマホを使えば、従来のようにイベントや知人の紹介を待つ必要がなく、自宅にいながら隙間時間を使って相手を探せます。また、多くのアプリでは年齢や趣味、価値観などのフィルターを使って自分に合う相手を効率的に見つけることができます。

確かにマッチングアプリやSNSの利用で簡単に出会いを作れるのは大きなメリットでしょう。

一方で、マッチングアプリは詐欺の温床にもなりやすい側面があります。アプリではユーザーが自分の個人情報を自由に設定できるため、詐欺師が偽のプロフィール、たとえば女性に人気の医者や弁護士、パイロット、エンジニアを装うことも容易です。また、アプリによっては海外在住のユーザーとも簡単に繋がれるため、いわゆる「国際ロマンス詐欺」にも巻き込まれやすくなります。

利用者にとって、アプリで匿名性を確保できる一方、顔も名前も知らない相手とのやり取りに警戒が薄れるケースが多く見られます。そのためマッチングアプリやSNSを「真剣な婚活の場」と思っている利用者ほど詐欺に巻き込まれやすい危険があります。

さとし

結婚詐欺ははるか昔からありましたが、スマホの登場で男女の出会いが格段に楽になりました。ロマンス詐欺は古くて新しい詐欺手法といえるでしょう。

狙われるシニア

ロマンス詐欺は、前述したように、40〜60代のいわゆるミドルシニア層の被害が大きいのが特徴です。この世代が狙われる理由を列挙します。

SNSやオンラインが不慣れ

この世代は、若い世代と比べてSNSやオンラインコミュニケーションに不慣れです。そのため、ネット上での相手のプロフィールや行動を見抜く力が弱く、詐欺に巻き込まれやすくなります。

金銭的に余裕がある

若い世代より貯金や退職金など比較的多くの資産を持っていることも挙げられます。詐欺加害者にとって「投資話」や「緊急の金銭的支援」といった口実で資金を引き出しやすいターゲットとなりやすくなります。

中高年特有の孤独感

周囲の友人や同僚も結婚し家庭を持つ頃です。休日に付き合ってくれる友人もいません。あわてて婚活に取り組むも、中高年の婚活はなかなかうまくいきません。そこに理想の異性が現れたら一気にのぼせてしまいます。

被害を相談しにくい

恋愛に関するトラブルを周囲に相談するのをためらい、詐欺に気づいても一人で抱え込むケースが多いのも特徴です。特に中高年男性は、恋愛詐欺の被害にあったことを恥と感じ、周囲に話せないことがさらに被害の拡大を招きます。

さとし

寂しさに付け込むのが詐欺師の常とう手段。独身の中高年が格好のカモになります。

ロマンス詐欺の手口と具体例

詐欺の手口は年々巧妙化しています。「素敵な人と結婚できる!」とのぼせていると正常な判断ができなくなります。詐欺師にコロッとだまされ、入金したあとには連絡がつかない、そんな事案が後を絶ちません。

よくある詐欺の手口

オレオレ詐欺と同様、手口は多様化、巧妙化しています。ここでは代表的な3例を提示します。

投資勧誘:「2人の将来のため」と偽り、投資アプリへの誘導

この手口は、詐欺師が被害者に対し「2人の未来を築くため」などと信頼関係を装い、投資を勧めてきます。

たとえば、仮想通貨や外国為替取引など、「必ず儲かる」といった魅力的な話をもちかけ、専用のアプリへの登録を促します。しかし、実際にはそのアプリは偽造されており、最初は利益が表示されるものの、出金しようとすると追加の手数料や税金の名目でお金を要求されます。

デート商法:デートの場で高額商品を購入させる手口

「デート商法」とは、婚活やマッチングアプリで出会った相手がデート中に高額な商品を勧めて購入させる詐欺です。

相手は「これは2人の将来に役立つ」「君にぴったりの商品だ」と甘い言葉で誘導します。被害者は恋愛感情から断りにくくなり、気づかないうちに多額の負債を抱えてしまうケースがあります。

結婚詐欺:結婚をちらつかせ、資金を要求する事例

結婚詐欺では、詐欺師が「結婚したい」「一緒に幸せな未来を築こう」と言いながら、婚約金や生活費の援助を求めてきます。

特に婚活中の人にとって結婚は人生の大きな目標であり、相手への信頼からお金を渡してしまうケースが後を絶ちません。結局、相手が姿を消し、多額の損害を被ることになります。

最近の具体的な事案

最近ニュースになったロマンス詐欺の報道を紹介します。

恋愛感情などを抱かせるいわゆるロマンス詐欺で、岐阜県岐阜市の女性から現金2180万円をだまし取った疑いで、39歳の無職の女が逮捕されました。

岐阜県警によりますと詐欺の疑いで逮捕されたのは千葉市の無職、男(39)です。

今年4月、藤村容疑者の共犯者が、アメリカ軍医を名乗って、SNSで知り合った岐阜市の50代女性に対して「退職して日本へ行きたい。お金を受けとってほしい」などとウソのメッセージを送りました。

その後、運送会社を名乗る共犯者が「税関が荷物を開けようとしている。非検査証明書が必要で取得するには金が必要」などウソのメッセージを送り、郵送させた現金2180万円を、受け子とみられる藤村容疑者がだまし取った疑いが持たれています。

引用:FNNプライムオンライン2024年10月17日

SNSを利用した国際ロマンス詐欺の事案です。詐欺師は医者や弁護士、パイロットなど、女性があこがれる高級職を装いSNSで近づいてきます。こちらの事案は単独犯ではなく、役割分担を伴った組織的犯行です。犯罪集団に目を付けられて無事で済むはずがありません。

次の事案は投資詐欺のケースです。

秋田県横手市の30代の女性がマッチングアプリを通じて知り合った相手に投資話を持ちかけられ現金325万円をだまし取られました。

警察によりますと、横手市に住む30代の女性は9月下旬マッチングアプリで外国人男性を名乗る相手と知り合い、好意を抱くようになりました。そして、相手から金の取引サイトを紹介され指示に従い入金すると女性の口座に現金が振り込まれたため利益が出たと信用し、女性は指定された口座に複数回に渡り現金を振り込みました。だまし取られた金額はあわせて325万円にのぼります。女性の家族が詐欺を疑い、18日に警察に相談があり被害が発覚しました。

引用:AAB 秋田朝日放送 2024年10月19日

こちらはマッチングアプリを利用した詐欺事案です。女性の好意を利用して、紹介した取引サイトでいったん利益を出させることで信頼まで導いています。

特殊詐欺というと「オレオレ詐欺」が世間をにぎわすことが多かったですが、警察庁が注意喚起を行うほどロマンス詐欺が急増しています。上のような詐欺事案は毎日のように全国のどこかでニュースとなっています。

ミドルシニアのロマンス詐欺の防衛策

婚活にはリスクのある接触ツールを使わないことが最大の防衛策です。「トラブルには絶対に巻き込まれたくない」と考えているミドルシニアは、相手の身元がしっかりしており、相手との間に仲人が入る結婚相談所の活動を強くお勧めします。

最初にも触れましたが、ロマンス詐欺に遭遇する接触ツールはマッチングアプリとSNSが大半を占めています。裏を返せば、詐欺師集団はマッチングアプリやSNSなどの安全性に対する脆弱性を理解し尽くしているといえます。オレオレ詐欺が手を変え品を変え現在でも多くの被害を出していることを考えると、今後これらのツールを使った詐欺はより巧妙化、大胆化する可能性が高く、被害が増えることがあっても減ることはないでしょう。

一方で、マッチングアプリでも安全・安心を謳うサービスも増えています。これらのサービスは、厳格な本人審査や独身証明書の提出を義務付けることで安全性を保っていると主張します。

しかし、マッチングアプリはどんなに本人審査等を厳しくしてもスマートフォン上ですべて完結するアプリにすぎません。結婚相談所のように人が直接介在することなく、入会もその後の交際もアプリ内の手続きで進んでいきます。悪質化し続ける詐欺の手口に完全にキャッチアップできるわけではありません。

たしかに結婚相談所は入会料や月額費などマッチングアプリと比較して高額になる傾向にあります。

もっとも、その費用は仲人などの充実した対人サービスやシステムの安全性に向けられています。

加えて、無料もしくは安価で利用できるSNSやマッチングアプリがあるのに、詐欺師がコストをかけてわざわざ価格の高い結婚相談所を利用する必要はありません。詐欺師にとってはSNSとマッチングアプリを使えば十分なわけです。

最近のニュースでも見てきましたが、しっかりお金を貯めてきたミドルシニア層が詐欺にかかると数百、数千万円と大きな被害額となります。

また、中高年ともなると社会的にも責任ある立場となります。誰にも相談できず泣き寝入りという潜在的な被害者も多いでしょう。その後の婚活にも大きな影響を与えるはずです。時間がない中高年は詐欺被害にあったことがトラウマとなって一生独身の可能性も高まります。

出会いの数が増えるマッチングアプリは婚活の活用すべきツールのひとつですが、社会的立場など抱えるものの多いミドルシニアにはリスクが大きくお勧めしません。ミドルシニアのみなさんは、もっとも安全な結婚相談所の利用をまずは考えてみてください。

さとし

結婚相談所を運営しているから結婚相談所を勧めているわけではありません。中高年になると「若さゆえの過ち」が許されません。リスク対策を考えれば中高年は結婚相談所一択です。

まとめ

いかがでしょうか。

この記事では、ロマンス詐欺の最近の傾向や手口、被害を防ぐための具体的な防衛策を解説したうえで、ミドルシニア層の婚活については結婚相談所の利用を推奨する理由を説明しました。

婚活ではここで紹介したロマンス詐欺だけでなく、ほかに美人局やストーカーなどのリスクが常に付きまといます。関係のもつれから最悪生命まで脅かされる可能性も否定できません。

特にミドルシニア層については犯罪に巻き込まれる可能性がグッと高まります。もっとも安全安心な結婚相談所の利用を強くお勧めします。