はじめに

婚活を始めて少しおしゃれなイタリアンや敷居の高いフレンチの店を使う機会が増えてませんか。ふだんは吉野屋や和民にしか行ってないのに、急にテーブルマナーなんて言われても戸惑いますよね。

心配しないでください。実際、大部分の男性が同じ心境です。

大事なのは事前の準備(知識)。そして、高級感に気後れしないで目の前の女性とともに食事と会話を楽しむことです。

この記事では、最低限のテーブルマナーと女性のエスコートの方法を学びます。詳細に学んでも覚えられませんし、社交界に進出するわけでもありません。デートで失敗しない最小限の理解で十分です。わからなければ店のスタッフに尋ねてください。

これから婚活を本格的に活動を始める方、すでに始めているけどテーブルマナーに少し自信のない男性に、特に役立つ記事となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

さとし

庶民にはテーブルマナーを注意する店に行く経験はほとんどありませんよね。多くの人が同様ですので最低限のことを理解しておけば十分です。

お店に着いて

こじゃれたカジュアルな飲食店でも怖気づく男性もいるなか、フォーマルなフレンチやイタリアンでの会食はすごく緊張するはずです。その緊張はお相手の女性にも伝わります。あなたは「お客様」です。まずは堂々としていましょう。

上座に座るのが女性

フォーマルのレストランに入ると、スタッフが厳かな様子で声をかけてきます。胸を張って対応しましょう。

カジュアルなお店ではテーブルまでの案内になることが多いはずです。女性に上座を勧めましょう。

原則として、入口から遠い奥の席が上座となります。席の奥側が座りやすいソファになっている店もあります。

例外として、店内で景色の良い席が上座となります。たとえば庭園がある店であれば庭園の見える席、夜景が見えるのであれば夜景が見える席に案内しましょう。「こちらからの席のほうが景色がきれいですよ」と一言そえてもいいかもしれません。

また、フォーマルの店ではスタッフが女性の椅子を引いて座らせるのが一般的です。間違っても男性のあなたが座ってはいけません。あなたは女性が座るのを待ってから自分の席に着きます。なお、スタッフが最初に案内した席が上座になりますので、女性が必然的に上座に座ることになります。

さとし

「入口より奥が上座」と思い込んでいると間違えやすいです。いちばんわかりやすいのがスタッフの案内です。上座に案内してくれます。

コートをエスコート

寒い時期になるとコートなど上着が邪魔になります。

フォーマルなレストランやお店ではクロークなどでコートを預かってもらえますが、その際、エチケットとして女性が先にコートを預けるのが一般的です。あなたはクロークやコート掛けの場所まで女性をエスコートし、スムーズに預ける流れを作りましょう。

女性のコートが預けられた後、男性が自分のコートを預けます。男性が女性の分も含めてクローク札を受け取っていいかもしれません。

オーダー

飲み物と料理があります。料理については店の予約時にコースを頼んでおけば、あとはスタッフからの確認だけとなります。

飲み物

大抵の場合、お店のスタッフから飲み物を勧められます。

オーダー表をみると、ウーロン茶でも800円とかの価格になっています。おもわず「定食一食分か…」とひるんでしまいますが、頼んでおいた方が無難です。

特に夏は、外の暑さから一服つける時間です。水でもいいかもしれませんが、ひんやり冷えた飲み物は格別です。

少し変わった飲み物ひとつで話の糸口をつくれます。華やかなフルーティーな色のカクテルなどは話題にしやすいかもしれません。

また、あなたが飲み物を頼まないと、女性が飲みたくても頼みづらくなってしまいます。レストランでは常に女性ファースト。女性に積極的に勧めてください。

料理

女性のオーダーに気を配りましょう。

男性はこれと決めたらメニューの隅々まで見ることは少ないですが、女性はメニューそのものを見るのが好きという方が多いです。最初から最後まで目を通すのでどうしても時間がかかります。

自分のオーダーだけさっさと決めて、あとはぼんやりではいけません。「いろいろと美味しそうですよ」「ゆっくり決めてください」とやさしく声をかけてください。

オーダーする際に大きな声でスタッフを呼ぶのはやめましょう。せっかくの雰囲気が台無しですし、周囲に迷惑です。

スタッフと目が合えばアイコンタクトで、難しいようなら手を軽く挙げることでスタッフに気づいてもらえます。このとき、手を大きく振る必要はなく、控えめに挙げるのがポイントです。

またスタッフに対しては丁寧に対応してください。横柄な態度は絶対にNGです。結婚したら傲慢な態度をとられると、女性から受け止められかねません。どんなに条件がよくても一発で交際終了です。

立場の弱い人への対応は素の人格が出るものです。女性と一緒のときだけでなく、ふだんからどんな立場の人に対しても礼儀をもって接しましょう。

テーブルマナー

いよいよ難関のテーブルマナーです。テーブルマナーもヨーロッパとアメリカで所作が違っていたりします。失礼のないよう最低限のことを理解しておけば十分です。

カトラリー

コース料理にはすでにナイフやフォークがテーブルの上においてあります。こうしたナイフ、フォーク、スプーンなど、食事に使う器具全般をカトラリーと呼びます。

カトラリー
カトラリーの一例

カトラリーを使う際には、外側から内側に向かって使っていくのが基本です。つまり、最初に外側にあるカトラリーから使用し、次第に内側にあるカトラリーを使っていきます。

コース料理は、前菜、スープ、メインディッシュ、デザートと続きます。もし何の食器を使っていいのかわからないのであれば、料理を運んできたスタッフに気軽に尋ねましょう。スタッフは困ったときにいるわけですから、恥ずかしがらずに聞いてしまって大丈夫です。

一方でフォークレスト(フォークの置き場)がある場合は、すべての料理を同じナイフとフォークを使います。食事を食べ終わったら、使用したナイフとフォークをフォークレストに戻します。ナイフとフォークがソースなどで汚れたらスタッフに頼んで交換してください。

フォークレスト
フォークレストの一例
さとし

スタッフに「どのフォークを使えばいいですか」と遠慮なく聞きましょう。女性もよくわかっていないことが多いですからスタッフに尋ねれば安心します。

ナプキン

次にナプキンですが、飲み物をオーダーした後にひざの上に広げてください。ナプキンは食事中、口元を拭くとき、手を拭くときに使います。

一時的に席を離れる際は、ナプキンを椅子の上か、椅子の背もたれに軽く置きます。テーブルの上に置くのは避けるのがマナーです。

食事が終わったら、ナプキンを軽く折りたたみ、テーブルの左側に置きます。このとき、きちんと畳むのではなく、自然な形で置くことが大切です。これは、ナプキンが再使用されないことを示すためです。

ナイフとフォークの使い方

最後に難関のナイフとフォークの使い方についてです。

フォークは左手で持ちます。通常、歯(フォークの尖った部分)は下向きにします。親指と人差し指でフォークの柄を握り、他の指で軽く支えます。

ナイフは右手で持ちます。刃は下向きにし、親指と人差し指でナイフの柄を握り、他の指で軽く支えます。ナイフの先端を軽く押すようにして、食べ物を切ります。

さとし

ナイフとフォークは使い慣れていないですよね。それでもお皿のふちはソースなどで汚さないように気を付けましょう。子どもみたいな食べ方になってしまいます。

ナイフとフォーク
ナイフとフォーク

食べ物を切るのは一口分ずつが基本です。一度に全部切るのは楽ですが、マナー違反とされています。注意しましょう。

パンはちぎってからバターをつけましょう。はじめからつけると指先がべとべとになります。

食事の途中で休憩する場合、ナイフとフォークは「ハの字」の形で皿の上に置きます。ナイフの刃はフォークの内側に向けて、フォークの歯は下向きにしておきます。

ナイフとフォークは「ハの字」
食事の途中で休憩する場合はナイフとフォークは「ハの字」

食事が終わった場合は、ナイフとフォークを並べて皿の4時の方向に平行にそろえ、ナイフの刃をフォークに向け、フォークの歯を上向きにします。食事が完了したことを示すシグナルになります。

食べ終えたナイフとフォーク
食べ終えたナイフとフォークは平行にそろえる

スマートで楽しい食事を心がける

ここまで食事のマナーを中心に書いてきましたが、ナイフやフォークの使い方などのテクニカルのことよりも大切なことはお相手の女性と楽しい食事の時間を過ごすことです。目的は、マナー通りミスなく食事をすることではありません。このことを忘れないでください。

食事に集中するのではなく、会話に集中してください。そのためには顔が正面を向いていなければなりません。背中を丸めて肉を切るのに夢中になっている場合ではないのです。

食事のスピードは相手の女性に合わせること。相手を見る余裕がなくなると、男性の方が食べるのが早いのですから、さっさと目の前の食事を平らげてしまいます。女性も男性に迷惑をかけないように急いで食べようとしますし、あなたとの会食に居心地の悪さを感じてしまいます。

繰り返しますが、目的は一緒にいる女性と楽しく食事と会話を楽しむことです。マナーのテクニックではありませんので、この点は決して忘れないようにしましょう。

さとし

フォークの使い方を少し間違ってもだれも咎めません。慣れないフォーマルな店での食事、女性も固くなっています。会話と食事を楽しむことを第一に考えましょう。

やってはいけないNG行為5選

最後にNG行為をまとめます。

ナイフで料理を指して食べる

ナイフは食事を切り分ける道具です。ナイフで料理を指して食べるのは使い方の誤りです。食べ物を口に運ぶ際にはフォークを使います。

ナイフで料理を刺して食べる行為は、粗野で無作法に見えることがあり、フォーマルな食事では、上品で丁寧な動作が求められるため、このような行為は避けるべきとされています。

ナイフやフォークのソースをなめる

ナイフやフォークは、料理を切ったり運んだりするための道具です。ナイフやフォークのソースをなめる行為は品のない行為としてNGです。

ソースを直接なめるための道具ではないため、このような使い方は道具の本来の役割に反しているからだといわれています。また、見た目がエレガレントではないという理由もあります。

ジグザグ持ちをする

ジグザグ持ちとは、食事中にナイフとフォークを持ち替えて使う方法のことを指します。ジグザグ持ちはNGです。

例えば、右手でナイフを使って料理を切り、その後ナイフを置いてフォークを右手に持ち替え、料理を食べるというやり方です。

ライスを食べるときに右手にフォークを持ち替えて使っていませんか。

右手に持ち替えるのではなく、左手のフォークをスプーンのように使って食べます。ライスがこぼれないように適量をフォークのくぼみに乗せるのがポイントです。ときどきフォークの背にライスを乗せる人もいますがお勧めしません。不安定なので乗せたものを落としやすく、食べる姿勢が悪くなります。

口の中に食べ物を入れて会話をする

相手に不快感を与えるのでNGです。口の中に食べ物が入った状態で話すと、食べ物が見えたり、落ちたりするリスクがあるため、見た目や聞き心地が悪くなります。

食事中のエチケットとして、話をする際は口の中が空になってからにするのが基本です。これは相手に対する礼儀でもあります。

咀嚼しながらではなく、いったんナイフとフォークをお皿において会話を楽しみましょう。

ひじをついて食べる

ひじをついて食べる行為はマナー違反とされています。特にフォーマルな食事の場では、ひじをテーブルに置かず、上品な姿勢を保つことが求められます。

しつけの厳しい家庭では、小さい頃にひじをついて食事をしていると「行儀が悪い!」と叱られたのではないでしょうか。

ひじをついて食べると、姿勢が崩れやすくなり、だらしない印象を与えることがあります。家庭環境が疑われかねません。

ひじをついて食べるのが癖になっている方は多いので普段から注意しましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

この記事では、最低限のテーブルマナーと女性のエスコートの方法を学びました。

この記事を一通り読んでおけば、フォーマルなフレンチでも過度におののくことはないと思います。

もし、マナーがわからなくなったら、遠慮なくお店のスタッフに尋ねましょう。そのためにお店のスタッフがいます。尋ねられたからと言って笑うスタッフはいません(そのような店は潰れます)。

大事なのはお相手の女性と楽しい時間を過ごすことです。テーブルマナーに頭がいっぱいでお相手の女性はそっちのけということはないように気を付けてください。